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元気?ってたずねる君の声。営業車の中で何度も聴いたバンプのベル。

さっき営業先へ向かって寒い中、コートも着ないで歩いていて、ふと懐かしいフレーズが頭をよぎった。
元気?ってたずねる君の声
なんの歌だったかな。正確にはバンプのなんの歌だったかなと、客先につくまでずっと考えて、着く直前に思い出した。
ああ。ベルだ。

ベルをよく聴いては泣いた。
それが一体正確には何年前だったのかは覚えていないけれど、ベルを聴いてよく泣いていた頃、自分は北海道の帯広市という街に住んでいた。
新卒で入った会社で半年で転勤を命じられて着任して、2年が経った頃だったと思う。
ベルをよく聴いたのは。

帯広で働き出して一年後くらいに、10年付き合っていた彼女とわかれた。
もともと帯広には知り合いはいないし、彼女と別れて、会社以外の世の中から切り離されたような生活をしていた。
基本的にひとりにでいることは苦ではなかったけれど、あそこまでひとりになると流石に虚しくなる。

唯一心の拠り所だったのが、一緒に帯広に転勤した女の子。
とても陽気で、可愛い子だった。
お互い暇な休みなんかには、食事にいったりして、寂しさを紛らわすことができた。
好きなのかなあ。自分でも判断ができないような時期に、よくベルを聴いた。
営業車の中で、当時は吸っていたタバコをもくもくとくゆらせながらベルを何度も聴いた。

帯広のその子は、
元気?ってニヤニヤしながらたずねてくるような子だった。
歌に自分と帯広のその子を重ねていた。
最高にキモい。

あれから大分経って、自分は結婚して、帯広のその子とはもう長いこと連絡をとっていない。
今調べると、ベルが収録されたアルバムは2月に発売されたようだ。
今日は2月の15日。
さっき久しぶりに、営業車の中でベルを聴いた。
泣くことはなかったけれど、十数年前の気持ちはしっかりと蘇ってきた。

それでふと思った。
帯広のあの子は元気かな?って。