【ノエルギャラガー ブラックスターダンシングのレビュー】オアシスの4枚目に求められていた音を聴いた?

何気なくApplemusicのアプリを開いて目に飛び込んできたのが、ノエルギャラガーのブラックスターダンシングという曲。

「あれ?こんな曲あったけ?」思って聴いていると、やっぱり聴いたことがない曲で、どうにも新曲の模様。

 

ブラックスターダンシング良いですね!

Black Star Dancing

 

ノエルギャラガーのブラックスターダンシングは低温のダンスチューン

ブラックスターダンシング、結局ダウンロードして2日ほどずっと聴いています。

派手さは全くないけれど、一聴して引き付けられるノエル特有のメロディーラインに生活が占領されます。

 

曲調はダンストラック。かといってバキバキのパーティーチューンではなく、淡々とリズムを刻んで、ノエルの声と泣きのメロディーが並走している感じです。

 

ニューオーダーやデビットボウイの温度を感じました。

聴いていて気持ちがいいんですよね。微妙に熱も入ってきます。

サラリーマンとしての労働力投入前なんかに聴くと、静かに闘志が湧いてくるといったところでしょうか。

 

ノエルギャラガーのブラックスターダンシングはoasisの4枚目に期待されていた音

ブラックスターダンシング、聴いていてしみじみ思ったのが「ああ、これがoasisの4枚目だったら、オアシスはビートルズを越えられたかもなあ」ということです。

 

ビートルズを超える。

勝手な幻想ですが、1995から2000年くらいまで、結構真面目にoasisってビートルズを超えるんじゃない?って思っていたんですよね。

 

1995年に大ヒットアルバムモーニンググローリーが発売されて、伝説のライブをネブワースで開催して2日間で25万人を集客。

1997年に世間からの猛烈な期待を集めてサードアルバムである「BE HERE NOW」が発売されたその瞬間までは、オアシスがロックが、音楽の中心にあったような気がします。

 

「BE HERE NOW」が冗長で重厚すぎて思ったよりもセールスを伸ばすことができませんでしたが、それでも4枚目で巻き返すんじゃないか。

そんな淡い気持ちを抱いてオアシスファンは期待に胸を膨らませていました。

「まだ、まだ、ビートルズを越えてくれるんじゃないか」。

夢をあきらめるわけにはいかなかったのです。

 

4枚目はサイケ、またはダンス調になるのではないかという噂がありました。

それはまさに、ビートルズが中期に見せた変化の軌跡を見たいというリスナーの願望だったのかもしれません。

いや、当の本人であるオアシスのメンバー、ギャラガー兄弟の願望であったのかもしれません。

 

そして3年というオアシスにとっては当時最長のインターバルを開けてリリースされたのが、「スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアント」。

多分オアシス史上最も期待されて、最も期待外れとなったアルバムです。

サイケというか、ダンスと言うか、ただ地味な内省的なアルバムでした。

 

スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ

スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ

  • アーティスト: オアシス,ノエル・ギャラガー,リアム・ギャラガー
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  • 発売日: 2000/02/23
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ブラックスターダンシングを聴いて、この1997年から2000までの期待にかける橋は、この曲だったんだよなと、戻ることはない過去に落胆をしました。

これが、オアシスの4枚目の曲だったら、当時の世間はひっくり返って、ビートルズ越えもいよいよ視野に入ってきたのではないでしょうか。

 

 

ノエルギャラガーはいつまでも現役でノエルこそがoasis

ノエルギャラガーももう50歳を超えています。

oasis在籍時から老けていたので、今もあまり変わらない印象。

で、歳を重ねるほどに年相応に格好良くなっていきます。

 

ノエルが格好いいのは年相応の容姿だけではありません。

未だ、オアシスの4枚目を探っているというか(これは僕の勝手な願望?ですが)、常に「今」や「この先」を見て楽曲を作っている、その現役感もです。

 

oasis後にリアムが出したプロジェクトやソロアルバムは、悪くはないけれど気の抜けたoasisのような感じでした。

過去にとらわれているというか、一番輝いていたころのoasisになろうとしているようでした。

 

一方のノエル、楽しみながらも新しいチャレンジを続けているのがよくわかります。

そして、ノエルは音楽が本当に好きなんだなと。

 

oasisはノエルとリアムの衝突による化学反応がその魅力だと言われています。

でも、衝突なんかしないで、ノエルの独裁、リアムはノー天気なボーカリストという存在で居続けることができていたのなら、オアシスはもっと長く輝き続けることができたのではないでしょうか。

 

ブラックスターダンシングは、そんな夢をみてしう位に素敵な曲でした。

 

Black Star Dancing

Black Star Dancing

  • アーティスト: ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ
  • 出版社/メーカー: Sony Music Labels Inc.
  • 発売日: 2019/05/03
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最近はバックナンバーのハッピーエンドばかり聴いていてそれが最高すぎるという話

バックナンバーのハッピーエンドという曲をご存知でしょうか。

もしもあなたが少しでも恋愛をしたことがあって、分かれを味わったことがあるのなら、絶対にのど元が熱くなります。

今すぐに聴きませう。

ハッピーエンド

 

バックナンバーのボーカルのスキャンダル

バックナンバーと言えば、2018年末にボーカルのスキャンダルが発覚しましたね。

生粋の清純派音楽ブログを目指している当ブログにには、まったく関係ない話かもしれませんが、清純派音楽ブログを目指しているからこそ、触れなくてはなりません。

 

ざっくり言うとバックナンバーのボーカル清水氏が、不倫をしていましたよっていうだけの話なんですが、なんだか女性の下着をつけておどけている写真なんかが掲載されていて、もうそのスクープ記事を目にすると「本当にダメな奴だなあ」とケタケタ指さしながらビールを飲みたくなるから不思議です。

ハッピーエンドに出てくるのはお前だな

 

で、今日の記事の主題であるハッピーエンドでございますが、これに脇役として出てくる男がなんだかダメなアホな雰囲気が歌詞の中から漂ってくるんですよ。

もう、この男、純朴そうで一歩間違えると黒い女性ものの下着を身に着けて、おどけた調子でポーズとってそうなんですよね。

 

スキャンダル記事を知ってからハッピーエンドを聴くと「これお前だろ」感がすごくて最高なんですよね。

 

ハッピーエンドはとにかく歌詞が秀逸すぎる

まあ、そんなダメな男から別れを切り出された女性目線の歌がハッピーエンドなんですが、歌詞の切れ味はちょっと尋常じゃないんですよね。

 

特に凄くて、繰り返し繰り返しカセットテープが伸びるほどに聴いたのが、「あなたが告白してきた頃の自分と、別れを切り出してきた自分とで、いったい何が違うの?たぶん変わってないんだけど」っていう内容のことが歌われるところ。

 

そう、残酷ですよね。

飽きただけなんですよね。黒い下着を上半身に身に着けるほどに愛しく燃えていた愛の炎も、時とともに飽きるんですよね。

いや本当に残酷です。

 

他もとにかく残酷チックな歌詞がオンパレードで、そこに乗るメロディーもバックナンバー史上一二を争うものでございます。

頼むから今すぐバックナンバーのハッピーエンドを聴きませう

 もしもあなたがバックナンバーのハッピーエンドを聴いたことがないのなら、女房を質に入れてでも聴くべきでしょう。

ただ、女房を質に入れるような人には響かないかもしれないってのが難しいところです。

 

ですから、質に入れてでも聴こうと思ったけれど、やっぱり・・それは・・・ってためらってしまう貴方、貴方にこそ聴いてほしいのです。

日々の労働力投入の成果をここでみせるのでございませう。

 

そういうわけで、今すぐTSUTAYAへ行きましょう。

 

ハッピーエンド(初回限定盤)(DVD付)

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バックナンバー6枚目のアルバムのMAGICの感想。おすすめの曲はあるのか?

ヤフーカードでポイント乞食をして得た5,000ポイント。 せめて未来への投資へと思い、2冊の本を購入して残ったのが約2,000ポイント。 「ああたまにはCDでも買おうか」とポチったのがバックナンバー6枚目のアルバムで、ちょうど発売のタイミングだった「MAGIC」です。 これが、とんでもないアルバム(駄作)で、「ああ、ロックバンドの現状」ってこんな感じかと思ったので感想を書いてみたいと思います。  

MAGIC(通常盤)

バックナンバーのアルバム「MAGIC」を買った理由

最近は星野源のポップウィルスだったり、あいみょんの瞬間的シックスセンスだったりを聴いて、その素晴らしさに感化されて、音楽没入機を迎えつつありました。 時代を代表するポップミュージシャンのアルバムっていうのは、やはり音作りであったり歌詞だったりが秀逸で、嫁を質屋に入れてでも一聴の価値はあるなと思っていたのです。 ですから、今最も話題となっているロックバンドであるバックナンバーのアルバムには、大きな期待を寄せていました。 azuhana.hatenablog.com azuhana.hatenablog.com

 

バックナンバーのアルバム「MAGIC」は時代遅れのアルバムだった

届いてアルバムをiPhoneに取り込んで、犬の散歩をしながらの1時間通しで聴きました。 バックナンバーのアルバム「MAGIC」はなかなか退屈な作品です。 正直、最後まで聴くのは断念しようかと思ったくらいの駄作でした。 後でレビューを書こうと思っていたメモには、こんなことが言葉が躍っていました。 「凡庸なジャパニーズロックからスタート」 「昭和な雰囲気満載のポップソング」 「スリリングを演出した凡庸なロックソング」 そう、とにかく退屈で、どこかで聴いたことがあるような音楽ばかりなのです。 誤解しないでいたたきたいのが、「どこかで聴いたことがある」というのはまったく誉め言葉ではないということです。 優れたメロディーラインを持つ曲は、なんとなく過去の楽曲に似ていたりして、それが抗いがたい魅力になっていたりするのですが、バックナンバーの「どこかで聴いたことがある」は、ただの焼き直しに感じてしまうのです。 「うわー。こんな感じのアルバムあったよなあ」みたいに「うわー」と枕詞についてしまうようなイメージです。

 

バックナンバーのアルバム「MAGIC」でおすすめの曲は?

僕はバックナンバーのアルバム「MAGIC」は壮大な駄作だと思います。 ただ、やっぱりすごいなと思うのがバラード。 曲調がバラードになった途端に、雰囲気が一変しますし、バラードに関しては古臭いとか凡庸を通り越して、時代を超えた1曲だと感じるのです。 ですから、happybirthdayであったり、オールドファッションであったりは一聴の価値があると思います。 この2曲だけのためにアルバムを購入したとしても損はないのかなと思います。 バラード以外があまりのつまらない音楽だから、バラードがはじまった途端の安心感と言うか解放感がすごいという稀有なアルバムではあります。 我慢していた自慰行為を解放させた瞬間と言う感じでしょうか。

 

バックナンバーのアルバム「MAGIC」は買いか?

ここまで書いてきたとおり、バラード以外には特に価値を感じるポイントはありません。 Applemusicにある音楽で、もっとスリリングであったりロックバンドを感じる曲は無数にあります。 ですから、基本はスルーで良いと思います。 ただ、失恋だとか、恋愛だとかが多い人は買っておいて損はないかもしれません。 バラードが人生をドライブしてくれうタイプの人は、CDというフィジカルな物体を部屋に置いておいた方が良いからです。 ロックバンドとしてのバックナンバーは凡庸だと思います。 しかしながら、バラードメーカーとしてのバックナンバーは、平成後期から令和初期の日本では第一人者と言えるでしょう。

MAGIC(通常盤)

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電気グルーブの思い出

ピエール滝が逮捕されてから随分と時間が経ってしまったけれど、電気グルーブと自分の思い出を書いてみたいと思います。

サウンド&レコーディング・マガジン 2019年3月号

 

ライジングサンロックフェスの歴史は電気グルーブからはじまった

電気グルーブと自分の最初の出会いはライジングサンロックフェス。

1999年からはじまた北海道初の野外ロックフェス、しかもオールナイトということで、ロッキングオン世代の自分は、顔の産毛を整えることも忘れて興奮していたのを覚えています。

 

興味のない彼女を無理やり誘った会場で出会ったオープニングアクトが電気グルーブでした。

ピエール滝は叫びました。

「みなみなみなさま こんにちはー!電気グルーブでございます!」

 

正直どんな曲が演じられたか覚えていませんが、猛烈に興奮にしたことを覚えています。

「こういうのもあるんだ・・・。ロックって楽しい!」とお門違いのことも覚えていますが、隣にいた彼女の反応は全く覚えていません。

 

ライジングサンロックフェスは電気グルーブからはじまったのです。

フラッシュバックディスコが孤独から救ってくれた

ライジングサンの興奮冷めやらぬまま、飛込営業なんぞをしながら過ごしていたサラリーマン初期。

超大手通信会社に間違って入社してしまったものが運の尽き、案の定地方都市へ飛ばされたのが11月でした。

 

はじめての独り暮らし。ほぼ童貞。友達ゼロ。

寂しいとは感じなかったけれど、なんだか虚無。小柳虚無・・・。

 

ちょうどそのころ、同期から教えてもらって聴いていたのが電気グルーブのフラッシュバックディスコです。

「ピロ~ピロ~」いう電子音が虚無をピタッとなでつけてくれて、少しだけ楽になる気がしました。

 

それまでの自分の音楽遍歴と言えば長渕剛や尾崎豊、大学に入ってからオアシスを中心としたロック。テクノやハウスとは無縁のものでした。

(オアシス繋がりでケミカルブラザースは少しだけ聴いていたか)

 

「こんな世界もあるんだなあ」と、地方都市の何もない独身寮で電気グルーブを聴いては自分を慰めるという日々でした。

北海道から横浜までワイアーに駆け付けた思い出

いつしか電気グルーブにはまって、ケンイシイがお気に入りになって、自分もいっぱしのテクノ好きを決め込みました。

 

そしてついに駆け付けた石野卓球主催のワイアーという大規模テクノイベント。

わざわざ北海道から、もう一度電気グルーブをみたいがために、えっちら稼いだ残業代を原資に遠征をしたのです。

 

ただひたすら暑い会場でした。熱いではなく、暑い。そこらじゅうが踊り疲れと暑さでダウンする人に占領されていて、さながら野戦病院のような思い出。

 

かろうじて電気グルーブのステージを見て、すぐに退散した苦い思い出です。

理想の50代を電気に見た

しばらくは音楽を聴く精神的余裕もなく、聴くとしても昔ながらのロック。

電気グルーブのような音と対峙する気力がなかったのでしょう、30代はずっぽり暗黒だったなあと思います。

 

40代になって結婚して、自由への疾走欲がメラメラと湧き上がってきたタイミングで偶然見たのが電気グルーブのドキュメンタリー番組。

 

これがむちゃくちゃ格好良かったんですよね。

何がって言われると難しいんですが、二人がしっかりアホのまま歳をとっていて、楽のオーラーをまとっているというか。

 

40代になってどこへ向かっていけば良いのかわからなくなっていたところ。

「電気グルーブのような雰囲気をまとった大人になろう」とうっすら感じました。

電気グルーブのこれからご期待ください!

今回のピエール滝の件で、石野卓球がまさかのお茶の間デビューを果たしていて、その振舞がまた最高なんですよね。

テレビっていう旧時代の価値観をぶっ壊す勢いです。

 

石野卓球は、苦虫かみつぶした顔もしないし、神妙にもしないし、媚もしない。

結局は「あんな大人になりたくない」という、多くの青年が抱いた思いを見事に体現しています。

 

電気グルーブの配信は2019年4月の時点で止まってしまっていますので、自分は今石野卓球をむさぼるように聴いています。

聴いている間と聴いたあとの少しの間、身体が軽くなるのを感じます。

 

KARAOKEJACK

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あいみょんの「ハルノヒ」と老人の暴走事故。

ハルノヒ

いつもより少し遅めに帰宅。

ご飯を食べて何気なくテレビを見ていたら、クレヨンしんちゃんとあいみょんがミュージックステーションに出ていた。

 

1歳の娘は着ぐるみのクレヨンしんちゃんに反応してキャッキャ騒いでいる。

 

あいみょんの「ハルノヒ」は相変わらず凡庸

この日あいみょんが歌ったのは映画クレヨンしんちゃんの主題歌。

クレヨンしんちゃんはよく知らないのだけれど、この映画はクレヨンしんちゃんの両親の出会いなどを描いた作品のようだ。

 

ミュージックステーションではクレヨンしんちゃんの映画の映像が流れて、続けてあいみょんが歌い出すと言った演出。

相変わらずあいみょんの歌は凡庸で、その凡庸さは「ハルノヒ」でピークを迎えたと言っても良いくらい。

よくあるリズムに展開に、少しひねった歌詞。

まあ、あいみょんの真骨頂と言えば真骨頂。

 

1時間ずっと「ハルノヒ」を聴いた

ミュージックステーションを見ながら、あいみょんの「ハルノヒ」を一応Applemusicでダウンロード。

そのまま愛犬の散歩へ。

 

散歩をはじめてすぐに「ハルノヒ」を聴いた。

凡庸な歌のはずなのに、何度かリピートした。

途中、石野卓球のアルバムを少し挟んで、また「ハルノヒ」を聴いた。

結局1時間くらいずっと、あいみょんの「ハルノヒ」を聴いていた。

 

犬の散歩。我が家のワンコお気に入りのいつもの散歩道。

あいみょんの「ハルノヒ」はそんな日常にピタッと寄り添ってくる曲。

大切な日常があるから、「ハルノヒ」を何度も何度も聴いてしまうのかも。

 

高齢者の暴走運転で奪われる日常

あいみょんが「ハルノヒ」をミュージックステーションで歌ったのと同じ日、高齢者が暴走運転をした。

「アクセルが戻らなかった」という理由で、次々と人を跳ね飛ばして、3歳の子供とお母さんが亡くなった。

 

日常は突然終わる。

 

日常の危うさが「ハルノヒ」を輝かす

あいみょんが「ハルノヒ」で鳴らす日常や、希望は、永遠に続くことなんてなくて、ふとしたすれ違いや、理不尽な暴力によってあっけなく終わってしまう。

今回の老人の暴走事故のように。

 

みんなその日常の危うさを薄々と感じて、恐怖を抱いているからこそ、あいみょんが歌う日常は輝くのかもしれない。

あいみょんが歌う日常は、一見ありがちだけれど、決して手に入ることがない日常を歌っているように聞こえる。

 

 

 

星野源!アルバム「ポップウィルス」の感想。2019年を代表する傑作だった!

MUSICA(ムジカ) 2019年 01 月号 [雑誌]

 

NHKでは謎の特番が組まれる星野源。

SONGS枠ならまだしも、単独で特番が組まれるのは珍しいのではないでしょうか。

特番ではポップウィルスリリースツアーの映像がはじめてみられるほか、インタビューも放送されます。

放送時間は全部で45分ですが、インタビューは2時間以上収録したそうで、厳選されたエピソードが聞けることでしょう。

 

さて、遅ればせながら星野源のポップウィルスを聴きましたという話です。

評判に違わぬ快作でございますわね。これは。というわけで早速感想を書いてみたいと思います。

 

 

「ポップウィルス」の感想。星野源のアルバムは2019年を代表する傑作だった!

星野源「ポップウィルス」はポジティブでサザエさん的アルバム

「うわ。毒ッけがない素直なアルバムだな」

これが星野源のポップウィルスを聴いた最初の感想です。

真っ先に思い出したのが、サザエさんやドラえもんといった国民的なアニメです。

サザエさんのドラえもんも、多少は皮肉があったりはしますが、基本はネガティブな要素はなし。

だから、子供にも安心して見せることができるし、家族で食卓を囲みながらでもつけておくことができます。

 

星野源のポップウィルスも同様に、ネガティブな雰囲気が感じられない気持ちの良いアルバムです。

 

 

星野源「ポップウィルス」は4週連続チャートで1位

星野源の「ポップウィルス」は2018年の12月19日に発売されています。

そこから、4週連続でチャート1位に居座ったという、近年のように人々の興味がうつろいやすくて、国民的ヒットアルバムが産まれにくい状況では珍しい現象を巻き起こしました。

チャートの1位っていうのがもう、機能していない言葉っちゃ言葉ですが。

 

2018年12月と言えば、翌年に控えた新元号にむけて、「平成最後の〇〇」なんて言い方が流行った時期。「平成最後の紅白」とかね。

そんな文脈で表現すると、星野源のポップウィルスは「平成最後の国民的アルバム」と言っても良いのではないでしょうか。

 

ドラマに使われて大ヒットした「恋」、「アイデア」の他CM含めタイアップ曲が、14曲中5曲。

どうりでどっかで聴いたこと感が強いなと。

 

 

星野源「ポップウィルス」は捨て曲なしの名盤

さて、星野源のポップウィルスを入手して2日が経過して、このブログ記事を書いています。

ここまでに4回フルで聴きました。

サラリーマンやって、小さい子供がいて、犬までがいる自分にとっては非常に珍しい。

自由になる時間がないのに、4回もアルバムを通しで聴いているんです。

 

この、遠しで聴けるっていうのが星野源のポップウィルスの恐ろしいところであります。

 

どんなに名盤であっても、捨て曲は何曲かあって、ついつい飛ばしてしまうんですよね。

あのポップロックの名盤と言われたoasisのセカンドアルバムでさえ、1曲ですが飛ばされまくる曲があったのです。

 

星野源の「ポップウィルス」には、捨て曲はないと言っても良いレベルでしょう。

あっても数曲でしょう。つまり、最高のポップアルバムです。

 

 

星野源「ポップウィルス」はいつでも誰とでも聞ける

星野源の「ポップウィルス」にはネガティブなムードがなく、捨て曲もない最高のポップアルバムであることは、上述のとおりです。

つまり、どんなシーンでも聴くことができるアルバムということです。

ドライブに行くときにポップウィルスを持って行こう

犬の散歩をしながらポップウィルスを聴いていて、真っ先に思いうかんだのが、「ドライブで聴いたら最高だろうなあ」という感想。

 

妻とまだ歩けない娘、そして愛犬。家族みんなでどこかに行く車中、洗車したばかりの車で聴きたいなあと。

 

また、今はもう叶わぬシーンとなりますが、好きなあの娘との初ドライブで聴くのも良いよなと。

帰り道、ポジティブなムードに包まれながらもムードのあるNothingなんかでもグッと距離を詰められそう。

都合よくアルバムの後半に入っているんですよ、Nothing。

 

話はちょっと飛びますが、Nothingはポップウィルスの中でも図抜けて名曲です。

星野源のバラードといえば「くだらないの中に」が僕の中で定番でした。

Nothingはその定番を奪い去る可能性さえある名曲です。

 

くだらないの中に

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Nothing

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家族団らんの日曜日の朝はポップウィルスを聴こう

家族団らんで聴けるのもポップウィルスの強み。

日曜日の朝、自分の好みでヒップホップなんかを聴いていたら、えらく過激なライムが食卓に突き刺さることがあります。

 

ポップウィルスはそんな心配は不要。

皆が笑顔になるイメージしかありません。

憂鬱な月曜日の朝はポップウィルスを聴こう

ポジティブなムードが溢れているポップウィルスは、憂うつな気分もやんわりと取り除いてくれそうです。

 

ポップウィルスのちょっと複雑で跳ねたリズムに合わせて歩けば、いつもより少し顔を上げることができそうです。

 

 

わたしたちの生活に感染するポップウィルス

ポップウィルスというタイトル。

まさにウィルスのように私たちの生活に侵入してきた怪作を見事に言い表したタイトルです。

 

平成の一つの時代が終わるタイミングで、数十年に1枚と言える傑作と出会うことができて、忘れられない冬から春になりそうです。

 

POP VIRUS (CD)(通常盤)(特典なし)

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西野カナ結婚後40歳での復帰を今は待つのみ

西野カナ結婚後40歳での復帰を今は待つのみ

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西野カナが活動休止するというニュース。

営業車の中、サボりコーヒーを飲みながら開いたツイッター知って、動揺が隠せません。

 

43歳の自分にとって西野カナがいかに大きな存在だったのか。

残念でなりません。

 

ただ、一件客先を訪問、落ち着いた気持ちの中でフツフツとまた違った熱い思いが湧き上がってきました。

 

西野カナは今が休業すべきベストのタイミング。

40歳で復帰した彼女が育児のダークサイドを歌い出したとしたら。きっと世界は変わるはず。

 

何を言ってるんだよ、おっさん。

そう思ったか人も多いと思いますので、少し詳しく書いてみたいと思います。

 

 

 

西野カナが今、活動休止する理由

詳しいことはわからないタイミングで書きますが、僕は西野カナの今回の活動休止は、必然だと思っています。

 

大学生シンガーとした西野カナが活動を開始してから10年くらいになるのでしょうか。

彼女はその良い意味で拙い言葉の紡ぎ方で、多くの若い女性の支持を集めてきました。

 

女性だけではありません。結婚しているのに何故か童貞臭のする自分のようなオジさんにも、彼女のファンはたくさんいました。

 

だからトリセツを聴きながら、隣で寝ているふてぶてしい妻の寝顔も、柔らかい顔で見つめることができるのです。

 

西野カナが国民的シンガーになった理由。

それは繰り返し歌われるロマンティックな人生への憧れが、共感を呼んだからでしょう。

 

でも。10年。流石にロマンティックは歌い尽くしました。ロマンティックは止まるのです。

トリセツをピークに、彼女のロマンティックにはトキメキが失われていく一方でした。

 

そう。簡単に言うとネタ切れです。

 

西野カナは40歳まで休業すべき理由

ネタを集めるためにも、西野カナには充電が必要でしょう。

公言していたとおり、30代は南米を回って欲しいものです。ロクなネタは集まらないと思います。何故なら南米に、僕たち一般市民が共感する要素がないから。

それでも南米を回って欲しい。戦略的に20代を過ごした彼女には、無駄を過ごして欲しいのです。

(まさかの先にストレートに結婚の道を歩まれるようでした)

これは、今までお世話になった感謝の気持ち。

 

で、35歳くらいで南米にも飽きて婚活。

きっと彼女の歌に出てきたような素敵な旦那さんが見つかるでしょう。

 

そして一般的には高齢出産と言われる年齢での妊娠、出産。

 

 

西野カナ40歳からの逆襲

40歳になった西野カナは、また僕たちの生活に近づいてくるはずです。

一緒に夢を見ようと笑顔で歌っていた頃とは真逆。

鬼の形相で生活の大変さを綴るのです。

そして僕たちは本当の意味での共感をするのです。

 

結婚の現実、妊娠のしんどさ。ドラマチック性皆無の陣痛からの出産。

夜泣きがひとぐて、朝が来ることが信じられなかったり、イヤイヤ期の子供が嫌で、ついついソシャゲにハマったり。

 

西野カナがまくし立てるように歌ったとしたら。

そして、それでも可愛いよ娘よと歌ったとしたら。

 

10年の時を経て、西野カナの世界は完結するのです。

10年経ったら僕も50代。

楽しみなんてないと思っていたけれど、西野カナの活動休止の報を聞いて、少し明るい光が見えたのでした。

 

Love Collection 2 ?pink?(Special Edition)

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 ※ちょっとご結婚が早まりそうですので、復帰も早いかもしれませんね!

瞬間的シックスセンスの感想レビュー。あいみょんとはなんだったのか。

 

Cut 2019年 03 月号 [雑誌]

あいみょんの新作、瞬間的シックスセンスを聴いてがっかりしませんでしたか?

なんか今のあいみょんには、イマイチとかって言葉を軽々しく言ってはいけない雰囲気があるので、がっかりしたとか言いにくいですよね。

 

でも、あいみょんの瞬間的シックスセンスをイマイチだと思ったあなたは、当然っちゃ当然ですので、自分にセンスがないとかって思わないでも大丈夫ですよ。

 

この記事では、なぜあいみょんの新作瞬間的シックスセンスがイマイチだと感じるのか、その理由について書いてみたいと思います。

 

 

あいみょんとはなんだったのか。瞬間的シックスセンスを聴いてわかったこと

瞬間的シックスセンスは危うさが抜けたあいみょんの挑戦作

あいみょんの新作瞬間的シックスセンスは、大大ブレイク後初のフルアルバム。

4曲のシングルを含んだ12曲で49分というジャスト長さもあって、久々の成功が約束されたアルバムです。

 

発売と同時にサブスクリプション対応している影響で、売上的なインパクトは少ないかもしれません。

それでも、間違いなく多くの音楽好き、若者を中心とした現役のリスナーたちは聴くことになるでしょう。

 

発売前から成功は約束されています。ただそれでも嫌な予感は的中して、イマイチ。拍子抜けなところがありました。

 

前作まであった強烈な危うさがあまり感じられないからです。

2回聞きました。1日で2回。

 

サラリーマンやってるんで、自由な時間はない自分。

貴重な自由時間のほぼすべてを、あいみょんに捧げたということになります。

 

2回聞いて、サクッと2回聞ける事にあいみょんの凄みと音楽巧者ぶりをまざまざと見せつけてられた気分。

 

でもこのアルバムには、前作青春のエキサイトメントにあった「ちょっと大丈夫?そんなこと公然と歌ってて」なんて空気はかなり薄まってしまっています。

 

 

青春のエキサイトメント

青春のエキサイトメント

 

 

 

 

あいみょんが失った官能小説の香り

あいみょんの危うさというか怪しさについては再三にわたってこのブログで紹介してきました。

端的に言うと万年ヘルプのキャバ嬢であったり、官能小説の味わいなんですよね。

 

そんなダメな感じが、ダメでも決して媚びていないところが、沢山のロックファンを勇気づけてきました。

 

瞬間的シックスセンスには、キャバ嬢の匂いも、官能小説の行間も出てきません。

何よりも負け犬の闘志。これを感じることができませんでした。

 

azuhana.hatenablog.com

 

 

みんなあいみょんに期待しすぎ

あいみょんって、超王道なんかにはなり得ないんですよね。

でも、みんなが担ぎ上げてしまった。で、やれるところでやってやるよっていうあいみょんのモード。

 

それで力が入った綺麗なアルバムになったのが瞬間的シックスセンス。

 

みんなあいみょんに期待しすぎ。

そこまでじゃないって。

 

あいみょんがトップシンガーに昇りつめてしまうくらいに、日本の音楽事情はあまりよくないということでしょう。

押し出されたトップスターというところでしょうか。

 

 

期待値を落とせば瞬間的シックスセンスはかなり良いアルバム

 もしもあいみょんがここまでブレイクしていなかったとしたら。

それで瞬間的シックスセンスを聴いていたとしたらどうでしょうか。

 

多分、僕は大絶賛しているでしょう。

なんて有望なアーティストが出てきたんだど。

 

2019年最初の期待作として聴くと、少し物足りないところはあります。

それでも、瞬間的シックスセンスは良作であることは間違いありません。

瞬間的シックスセンスは3曲目で成功が約束された

あいみょんの瞬間的シックスセンスは、冒頭2曲にメジャーなシングル曲が配置されています。

特に2曲目のマリーゴールドは、あいみょんを今のポジションに押し上げることとなった最重要曲です。

 

ですから2曲目までは安心して聴くことができます。

勝負となるのが3曲目というわけですが、これが期待値を超える怪曲でした。

あいみょん特有の陰湿なセンチメンタルが垣間見える、冒頭2曲とはトーンが明らかに違う旋律です。

 

この3曲目で2018年のブレイクしたあいみょんが、少しだけ2017年からこんにちはをしているような感じです。

3曲目であいみょんの世界のチャイムを鳴らす感じです。

瞬間的シックスセンスの最終曲にあいみょんの意地をみた

ただ、悲しいかな途中でシングル曲あり、良曲はあるのですがやはり場末のキャバクラ感がない。

とても聴きやすいアルバムだと感じてしまいましたとさ。

 

ああ、やっぱり期待に応えようとしすぎて、あいみょんは肩に力が入っているなあと感じながら聴いた最終曲あいみょんの意地をみました。

 

どことなく投げやりに掻き鳴らされる、とっちらかった最終曲。

壮大なエンディングにすることをあいみょんは選びませんでした。

「わたし、そんなんじゃないから」って、「紅白は出たけど、そんなんじゃないから」ってそんな感じの歌でした。

 

なんだか次につながる、とっちらかった歌だけど、そんなエンディングで瞬間的シックスセンスは終わります。

 

瞬間的シックスセンスでおすすめの3曲

少し期待値を落として聴くと、永遠に聴いていられるくのがあいみょんお瞬間的にシックスセンスです。

個人的におススメの3曲を紹介します。

夢追いベンガル

圧倒的におススメというか。これ1曲ばかり最近はリピートしているっていうのが、アルバム後半に配置された夢追いベンガル。

 

夢追いベンガル

夢追いベンガル

  • あいみょん
  • J-Pop
  • ¥400

 

 

軽妙な疾走感で、いわゆるダメな凡人のことを歌っています。

「君はロックなんか聴かない」に出てくる”僕”が主人公のような歌。

こじらせた若いロックファンは、こんな感じ。

「なんでアイツの方が」という人のこと気にしてばっかりなイジイジした僕。

 

でもそんな”僕”が「とりあえず走ってみりゃいいんじゃね?」って思えるようなアンセムです。

文句なしの良曲で、アルバム中で最も危ういあいみょんを感じることができます。

 

ら、の話

上述したように、アルバムの成功を約束した名曲です。

あいみょんぽい感じもするけれど、ありそうでなかったあいみょんのポップチューンというところでしょうか。

どこに出しても恥ずかしくないポップソングです。

 

ら、のはなし

ら、のはなし

  • あいみょん
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

二人だけの国

シンガーあいみょんの素晴らしさを感じることができます。

高音部で、少しだけ苦しそうにしながらも我を忘れない歌唱が、かなりセクシーです。

 

二人だけの国

二人だけの国

  • あいみょん
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

あいみょんとはなんだったのか

今、本当に日本の音楽シーンに、お茶の間に到達するレベルで真っ当に楽曲を作っている人を見るのが難しくなってしまいました。

 

日本のトップシンガーは未だにデビュー20年を過ぎた宇多田ヒカルだったりします。

みんな次が欲しい。「音楽を聴いてる」って感じることができるシンガーはいないのか?

 

なんとなくそんなポジションに押し出されて、そんなポジションでも立ち回る実力があったのがあいみょんでしょう。

 

本来、あいみょんは脇役で、怪しくて、官能小説よりなのです。

それでも、時代に与えられた役割をその実力で演じている人、それがあいみょんなのでしょう。

 

今回の新作瞬間的シックスセンスは快作だと思います。

期待せずに聞いてみましょう。そうすればイマイチなんて感想は出てこないと思うのです。

 

 

瞬間的シックスセンス

瞬間的シックスセンス

 

 

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