宇多田ヒカルの復帰2作目「初恋」の感想。前作「ファントーム」を超えられたのか!?
気になっているものを放置しているのも身体によくないと思い、昨晩、ハイボールを一気に身体に流し込んだ勢いで宇多田ヒカルの初恋をレンタルしに、ツタヤで行ってきました。
なぜレンタルにしたのか。
やはり良作の雰囲気が全曲視聴からは感じられなかったからです。
他、applemusicで配信されていない、聴きたい音楽もたまっていたので、まあ丁度良いというところでしょうか。
やっぱり跳ねた曲は少ない
全曲視聴していたのでわかっていましたが、やはり跳ねた曲が少ない。
自分は、トラベリングが宇多田ヒカルの曲の中では最もはまった曲なので、アルバム「初恋」のように終始落ち気味のトーンのアルバムはあまり得意ではありません。
跳ねた曲は、先行配信で聴いてばっちりはまったplay a love songくらいでした。
知っている曲が意外と多い
ちょっと意外だったのが、すでに耳にしていた曲がそこそこあったということ。
タイトルトラック「初恋」はもちろん、「あなた」、「Foreevermore」、「大空で抱きしめて」、そして冒頭の「Play A Love Song」と全12曲中うち5曲と半分近くが何らかの形ですでに聞いたことがある曲でした。
タイアップがあまりないイメージではありましたが、そこはなんだかんだという話でしょうか。
もしかするとレコード会社が今回のアルバムから変わったという影響もあるかもしれません。
ただ、やはり知っている曲の割合が高く、それらにはまっていない状況だと、ちょっとアルバムへの興奮の度合いも下がってしまうのが正直なところではあります。
曲としての初恋は傑作、だがしかし
初恋という曲はやはりハッとしてしまうほどの名曲です。
自分が好きなタイプの跳ねた宇多田ヒカルの曲ではありませんが、そのスケール感や紡ぎだされる日本語の美しさには、茫然としてしまいます。
ただ、あまりにこの曲としての初恋が良すぎるせいか、アルバム全体が初恋に支配されているような気がします。
冒頭Play A Love Songが軽やかかつ厳かに鳴らされた後は、終始どんよりとしたトーンが支配します。
美しく、静か。
ただ、事前に想像していたとおりの藤圭子調ではありません。
もっと綺麗で淡々としている印象です。
そう、曲としての初恋は素晴らしいけれど、アルバムとしての初恋はひどく物足りないのが正直なところです。
前作ファントームがあまりに良すぎた
前作でり復帰作であるファントームは本当に良いアルバムで、久々にきたなあという喜びがあふれ出てくる作品でした。
比較してしまうとどうしてもというのが、今回のアルバム「初恋」です。
ただ、前作と比べたり、宇多田ヒカルのアルバムという冠言葉を抜けば、そこそこのアルバムのような気はします。
それぞれの曲は綺麗なメロディーで、ホーンやストリングスが印象的なアレンジもさすがです。
たまに聴くことはあると思います。
ただやっぱり、期待が強すぎたので、この出来だとレンタルにしておいてよかったなというのが、偽りのない感想です。