少し遅かった2時間だけのバカンス
働き方改革もだいぶ浸透してきて、朝まで働くとかはもう狂人の世界の話だよなっていう雰囲気になってきたのは非常にうれしい話です。
10年程度前、電通と並ぶくらいに日本を代表するトヨタ以外の会社で働いていました。
新卒で入社してそうそうに地方都市へ飛ばされたのは良い思い出です。
いや。飛ばされたってのは、完全な被害妄想か。
実際、あの時の地方離散組から出世頭が出ているんだし。
地方都市で美味しい焼き肉に舌鼓を打っていたら、本部からお呼びがかかりました。
少し前まで一緒に仕事をしていた、いや、仕事や人生の教えを請うていた先輩達を統括するポジションです。
勘違いもしたし、この場所から離れたくないと必死でした。
実際、あの必死さが今の自分に余裕を与えているのかなと思います。
夜中の三時。キャバクラ帰りの幹部を待ってからの会議は、テンションがどうしようもないくらいに上がったのも偽らざる記憶です。
今思うと狂ってるし、仕事ができるとは言い難い集団ですね。
みんなで会議をやってる時は、アドレナリンが出ます。中々ないですからね。午前3時からの会議。
でも、午前3時の会議が4時に終わって、自分の作った資料に全会一致でダメを出されたとしたら?
明け方、ひとり黙々と仕事をしていた同僚の姿がありました。
彼の姿を見たのはそれが最後でした。
彼の資料がダメを出されたのかは今となってはわかりません。
夜中?朝?4時に彼は自席の周りだけ電気をつけて、静かに仕事をしていました。
でも、夜中の3時からでも良いから、ちょっと飲みに行ったり、お姉ちゃんをからかいに行ったり、なんでも良いから、楽しむ余裕があれば。
もひかしたら、あの会社では今もまだ、三連休の最終日の日付が変わろうとしているのに、オフィスで働いている彼のような若者がいるのかもしれません。
もしそうなら、宇多田ヒカルの新しいアルバムを聴いて一息ついて欲しい。
2時間だけのバカンスで、生涯忘れられる事が難しい笑顔にであえるのかなって思うかも。
デビューアルバムではひたすら恋の尊さを少し無邪気に歌っていた彼女。
あれから20年。恋さえする余裕のない同年代へのエールが厳かに鳴っています、
宇多田ヒカルの復帰2作目「初恋」の感想。前作「ファントーム」を超えられたのか!?
気になっているものを放置しているのも身体によくないと思い、昨晩、ハイボールを一気に身体に流し込んだ勢いで宇多田ヒカルの初恋をレンタルしに、ツタヤで行ってきました。
なぜレンタルにしたのか。
やはり良作の雰囲気が全曲視聴からは感じられなかったからです。
他、applemusicで配信されていない、聴きたい音楽もたまっていたので、まあ丁度良いというところでしょうか。
やっぱり跳ねた曲は少ない
全曲視聴していたのでわかっていましたが、やはり跳ねた曲が少ない。
自分は、トラベリングが宇多田ヒカルの曲の中では最もはまった曲なので、アルバム「初恋」のように終始落ち気味のトーンのアルバムはあまり得意ではありません。
跳ねた曲は、先行配信で聴いてばっちりはまったplay a love songくらいでした。
知っている曲が意外と多い
ちょっと意外だったのが、すでに耳にしていた曲がそこそこあったということ。
タイトルトラック「初恋」はもちろん、「あなた」、「Foreevermore」、「大空で抱きしめて」、そして冒頭の「Play A Love Song」と全12曲中うち5曲と半分近くが何らかの形ですでに聞いたことがある曲でした。
タイアップがあまりないイメージではありましたが、そこはなんだかんだという話でしょうか。
もしかするとレコード会社が今回のアルバムから変わったという影響もあるかもしれません。
ただ、やはり知っている曲の割合が高く、それらにはまっていない状況だと、ちょっとアルバムへの興奮の度合いも下がってしまうのが正直なところではあります。
曲としての初恋は傑作、だがしかし
初恋という曲はやはりハッとしてしまうほどの名曲です。
自分が好きなタイプの跳ねた宇多田ヒカルの曲ではありませんが、そのスケール感や紡ぎだされる日本語の美しさには、茫然としてしまいます。
ただ、あまりにこの曲としての初恋が良すぎるせいか、アルバム全体が初恋に支配されているような気がします。
冒頭Play A Love Songが軽やかかつ厳かに鳴らされた後は、終始どんよりとしたトーンが支配します。
美しく、静か。
ただ、事前に想像していたとおりの藤圭子調ではありません。
もっと綺麗で淡々としている印象です。
そう、曲としての初恋は素晴らしいけれど、アルバムとしての初恋はひどく物足りないのが正直なところです。
前作ファントームがあまりに良すぎた
前作でり復帰作であるファントームは本当に良いアルバムで、久々にきたなあという喜びがあふれ出てくる作品でした。
比較してしまうとどうしてもというのが、今回のアルバム「初恋」です。
ただ、前作と比べたり、宇多田ヒカルのアルバムという冠言葉を抜けば、そこそこのアルバムのような気はします。
それぞれの曲は綺麗なメロディーで、ホーンやストリングスが印象的なアレンジもさすがです。
たまに聴くことはあると思います。
ただやっぱり、期待が強すぎたので、この出来だとレンタルにしておいてよかったなというのが、偽りのない感想です。
宇多田ヒカルのアルバム「初恋」が藤圭子調で買う気が起きない
リードシングル的なプレイアラブソングがすこぶる良かったから、超期待していた宇多田ヒカルのアルバム。
まだ買っていません。
タイトルソング初恋は悪くはないのに・・
リードシングルは悪くないのは、過去記事にも書いたとおりです。
タイトルソングの初恋も結構凄みがあってきわどく嫌いじゃありません。
ただ、アルバム「初恋」に入っている曲のすべてが、この「きわどく嫌いじゃない」ムードに支配されているのです。
大谷やイチローがすごいことに異論はないように、宇多田ヒカルのことは無条件で認めているのですが、すべてのアルバムを愛聴してきたわけではありません。
ファーストアルバム、セカンドアルバム以降はぶっちゃけ曲単位で聞いてきました。
ですから、気に入った曲がないタイミングでは、自分の中から宇多田ヒカルの存在は消えていたという具合です。
藤圭子調のだらっとしたトーンの宇多田ヒカルが嫌い
自分が好きな宇多田ヒカルの曲は跳ねている感じの曲です。
昔でいとトラベリングで、今回のアルバムでいうところのプレイアラブソング。
逆に自分が嫌いな宇多田ヒカルの曲はbe my lastで、今回のアルバムでいうときわどく初恋調(初恋は好きですけどね)。
なんとなくダラーっとして怨念めいた感じがする曲が嫌いです。
宇多田ヒカルって本来暗い人だと思うのですが、そこを無理して跳ねるところが響いてくるのかなと。
暗い人がだらっとした歌を歌うと、聴いていて滅入ってくるのです。
前作がアホみたいに良い怪作だったので期待していたんですが、ちょっぴり残念な気分です。
朝風呂しながらチャールズミンガスとフューチャーを聴く。自分まだ大丈夫。
昨晩は寝落ちしてしまって、kindleでダウンロードしたけれど結局読まなかったブルージャイアントの新刊。
3時に起きて朝風呂しながら読みました。
安定して面白い。
ここ数年、めっきり漫画を読まなくなったけれど、ブルージャイアンは新刊が出るたびに購入しています。
ブルージャイアントを読むと、決まって途中で何か聴きたくなります。
良い本は行動を促すという事でしょう。
今日はフューチャーを最初に聴いて、途中からチャールズミンガス。
ヒップホップからジャズ。
音楽における自分の原体験は長渕剛や尾崎豊。
そこからUKロックにどっぷりとはまって、サラリーマンになったころにはハウス。
長渕剛からはじまった自分の音楽リスナーとしての歴史は、30年の時を経てフューチャーという2018年現在のヒップホップアーティストと、1950年代活躍したチャールズミンガスというジャズミュージシャンへと紡がれたわけです。
変わらないこと、思考停止すること。
ダサいおっさんにならないために重要なことかなと思っていました。
サラリーマンになって、ただひたすたらと同じような仕事を半ば思考停止していた自分。
少しダサいなって思うこともあります。
でも、今でもやっぱり新しい音楽を聴くことができるし、古い音楽も新鮮に感じたりします。
自分の音楽リスナーとしてのストライクゾーンは、昔よりも遥かに拡がりを見せています。
音楽を聴いてまだわくわくします。
- アーティスト: チャールス・ミンガス,ジャッキー・マクリーン,ジャック・モントローズ,マル・ウォルドロン,ウィリー・ジョーンズ
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2005/12/07
- メディア: CD
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フューチャーのこのアルバムは本当に良く聴きます。
何が良いんだかわからないけれど、何度聴いても飽きがこない名盤です。
ストリーミング配信開始!ミスチルが僕らのもとに戻ってきた!
日本のストリーミング再生が盛り上がらない、世界から遅れをとっているのに猛烈な危惧を感じて、ミスチルをやり玉にあげて記事を書いたのが約1ヶ月前。
完全に道化でした。
ミスチルはしっかり準備をしていました。
2018年5月10日、デジタル配信を解禁したとのニュースが飛び込んできました。
本当?と朝一でAppleMusicを起動すると、そこにあるのは朱玉の名曲の数々。
さすが。
もう長いことミスチルの曲と僕らは分断をされていました。
優しい歌やファスナーを出したあの頃から、自分の思い出の中にはミスチルの曲が登場することがありませんでした。
本当だったら、結婚式の入場曲にミスチルの歌が流れていてもおかしくはないのに。
でもやっと、戻ってきました。
僕らの生活の中にミスチルが。
もう遅いかもしれませんが、それでも今までよりはミスチルの曲を聴く機会も増えるに違いありません。
何より嬉しいのが、ミスチルの配信開始を契機として、続々と日本のメジャーアーティストがデジタル配信を開始することになるだろうということです。
もしもサザンが、aikoが、星野源の曲をいつでも定額で聴けるようになったらどうでしょう。
なんだか楽しい気分になってきました。
まずはミスチルを思う存分楽しみ、日本の音楽シーンの再起動に備えたいと思います。
チャイルデイッシュガンビーノ狂ってる。プロモが衝撃的すぎる
なんとなくここ数日ツイートのタイムラインに名前がよく出てきていたののがチャイルデイッシユガンビーノ。
かろうじて名前を知っているレベルでしたが、なんだか星野源やアジカンの後藤君が話題にしていたりで、いよいよ無視できる心情を通り越したのが今。
入浴中のまさに今。
40を超えたおっさんサラリーマンが、全裸で湯船につ 浸かりながら放心。
口をついたてでてきた言葉は「狂ってるな」。
そして「これがアメリカかあ」。
スリラーよりもスリラーな動画で、心臓が悪い人は見ない方が良いでしょう。
暴力的なアメリカ。
混沌としたアメリカ。
そしていよいよ追い詰められはじめたアメリカ。
これがアメリカかあと妙に納得してしまう動画です。
そこにはジェームスブラウンもいるし、マイケルジャクソンもいるし、そしてニルバーナもいたような気がします。
あ、そうだブルーススプリングスティーンも。
混沌としたアメリカに悩んで苦しんだ過去の偉人たち。
ある人は「こんなアメリカみたいなクソな国に生まれちまった」と。
ある人は「ねえねえ。やっぱ最低な気分だろ」とボソボソと。
チャイルデイッシユガンビーノはもう開き直りです。
犯罪者のように目をひん剥きながら、どうだ!どうだ!これがアメリカなんだよ!と小島よしおのように踊ります。
アメリカはここまできてるのかあと。
完全にいっちゃってます。
いい歌だと思ったら大体大橋トリオだという説について
昨日は妻と娘を連れ立ってアリオモールへ。
ゴールデンウイークの最終日という事もあり、フードコートは激混みでした。
なかなか疲弊します。
道中はラジオを聴くことが多いのですが、昨日は突然琴線に触れるメロディーが飛び込んできます。
これがあるから、ラジオは好きです。
早速流れている歌をアプリで確認してみると、薄々はわかっていたことで大橋トリオの歌でした。
「さくら」という歌。
実はこんなケースがやたらと多くて、ラジオだったり、お店のBGMでかかっている曲を後から調べてみると大橋トリオの曲ですと。
なんかそんなことを5年以上はやっている感じがします。
多分大橋トリオの物悲しいメロディーラインが、自分は大好きなんでしょう。
そんなに大好きなら、一度はちゃんとフォローしてみればという感じがするのですが、一度も大橋トリオのCDを購入したことはないし、配信している曲を購入したこともありません。
今でこそ、Apple Musicで聴いたりはしますが、追加で支払いが発生したとすると絶対買わないでしょう。
これほど好きなのにどうして?
自分にとって大橋トリオは最高のポップミュージックなのでしょう。
ロックや、今ならラップみたいに、その生き方込みで音楽を聴くように調教されてしまっている自分。
大橋トリオはあくまでその音楽のみが好きで、彼?の歌からは生き方など見えてこないからです。
大橋トリオに夢中になることはできません。
大橋トリオが誰なのか、その容姿さえ自分はよく知りません。
でも、何度も何度も彼?の歌は自分と少し距離を置いたところで鳴っていました。
聴こえていました。
多分、これからも大橋トリオに夢中になるようなことはないでしょう。
ライブに行くなんてこともあまり考えられません。
のんびりとサラリーマンをやっている自分ですが、ロックだったりケンドリックラマーを聴いていたりするとたまに酷く疲れることがあります。
ケンドリックラマーのラップは、決してサラリーマンの日常の延長線上にはないからです。
大橋トリオの曲は、サラリーマンとして過ごしてきた20年のあらゆるシーンで無理をせずに聴くことができました。
決して夢中になることはないけれど、絶えず曲を届けて欲しい。
自分にとって大橋トリオはそんな存在です。
きゃりーぱみゅぱみゅの新曲「きみのみかた」がすごく良い歌なんだけど
またまた犬の散歩中なら聴いていたクロノスでヒットしました。
クロノス4月の通勤応援ソングのきゃりーぱみゅぱみゅの「きみのみかた」がなんともアラフォーリーマンの琴線触れまくりです。
明らかに全盛期の勢いを失っていて、その存在が少し忘れられていた少し大人になったアイドルが投げ込んできたストレートな人生応援ソングです。
少し憂いのあるエレクトロサウンドにのせて、何度も発声される「ぼくはきみのみかた」という祈り。
通勤している新人サラリーマンはもちろん、学校にうまく馴染めない25年前の自分のような天邪鬼や、少し育児に疲れた妻にもきっと響く悲しくもポジティブな曲です。
これから先、きっときゃりーぱみゅぱみゅの姿を見かけることは減って行くでしょう。
それでも彼女はこの歌で、「ぼくはきみのみかた」と言ってくれる同志を手に入れるはずです。